世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


オールドパティキュラー キャメロンブリッジ 25年  25年  60.6%

  • 蒸溜所名: キャメロンブリッジ蒸溜所
  • 地域: ローランド
  • ブランド: ダグラスレイン
  • 価格帯: 71-120
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:132号

クリス・グッドラムSCORE9.2

香り
かなり高いアルコール度数のわりには、驚くほどソフトな香り。ラム酒のようなドライフルーツ、甘いベリー、ハーブのようなグレーンの香りと繊細なスモーク。時間が経つにつれ、大きなぶつ切りの甘いバニラ、コーヒー、コショウのようなスパイスを伴いながら、バーボンのようなオーク香が突き抜けてくる。それでもスピリッツの特徴がオーク香をうまくコントロールしているような感じ。
軽やかなハーブと土のような風味。繊細なドライフルーツとスパイス、それに前述のオークがここでも。香りそのままの、大柄で、荒々しく、バーボン感じさせる風味。舌の中央がバニラ、ココナッツ、甘いコーヒーの味覚で満たされる。
フィニッシュ
余韻は長く、相当にスパイシー。ドライフルーツの甘味が、アルコールやグレーン風味とバランスをとっている。驚くほどジューシーで、木のタンニンが苦いアクセントを加えてフィナーレを迎える。
コメント
グレーンウイスキーにボディーがないと言ったのは誰だろう。このウイスキーには当てはまらない。ストレートでもかなり飲みやすいことに驚いたが、私はカスクストレングスのテイスティングに慣れているので、単に舌が丈夫なだけかも。冗談はさておき、素晴らしい中期熟成のグレーンウイスキーだ。

ジョエル・ハリスンSCORE7.7

香り
グレーンウイスキーに期待する伝統的な香りが、相当な強度をもって表現されている(アセトン、松の木材チップ、洋ナシ石鹸、バニラ)。だがそこにはボディーに厚みを加えるような、熟成の長さを示す特徴も見て取れる。
ダイレクトな味。グレープフルーツ、レモン、ライム。ジンの「タンカレーTEN」を濃縮したらこんな味になるかも。加水しても、この点について特筆すべきことはない。誰かが3番手くらいの原酒を使って実験的にブレンドしたものではないかと思う。
フィニッシュ
火打ち石とレモンジュース。
コメント
おそらくカスクで数十年を過ごしたクラシックなグレーンウイスキーの一例。だがもう数十年待ってみてからでも遅くはない。これをあと20年ばかり放っておいたところで、どんな不都合があるというのか。